2010年 05月 09日
今回のラリーで選んだ相棒は 既述のとおり、ホンダCRM50。 塾長さまが、今回、特別に貸してくださいました。 2ストローク50ccのパワフル(相対的に)なエンジンと 本格的な(相対的に)足回り 軽量な車体 そういった要素が上手にバランスされ まさに 「最強の原付オフローダー」 の名を欲しいままにし 事実 他にも何車種かの50ccオフローダーが存在する(した)にもかかわらず 過去、TBIのアドベンチャークラス(50ccクラス)を常に制してきたマシンです。 そんなCRM50と過ごした 四国での1週間はどうだったかというと 「最高にハッピーでした」 というのが、偽らざる感想です。 2000年にCRM250ARで初参加し 2006年にDRZ400Sで再び参加し 今回、3度目の参加でしたが、今回が一番、楽しかったです。 そんな CRM50の旅を振り返ってみました。 1:ライバルとの熱いバトル 今回、アドベンチャークラスには、3台のエントリーという 比較的、寂しい台数でした。 #2 カワブチさん(XL50) #4 クワシマさん(CRM50) #3 ボク(CRM50) と、いったメンバーで 例年は、250や450の戦いに飽きた 入賞常連の強豪たちがひしめくカテゴリなのですが 今年に限って、なぜか、平和なメンバー構成でした。 これが良かったようで わりと、SSのタイム差の少ないまま ラリーが進んでいったので レベルは低いなりに、毎日僅差の壮絶なバトルを楽しむことができました。 小さな50ccマシン同士だということの連帯感も生まれ パンクした後、チューブを分けていただいたり 逆に、取れたマップステーを仮付けしてあげたり。 特に このクワシマさんとは マシンも同じ ジャケットの色とメーカーも同じ TBIに初めて出た年も同じ(たぶん) モンゴルに出た年も似たようなもので(05と06) たぶん、年齢と体重も似たようなもので かなりイコールコンディション。 実際、腕前も結構近くて 朝のSSはボクが僅差で勝ち 夜のSSは彼女が勝ち 荒れた路面はボクが勝ち フラットでハイスピードは彼女が勝つ ボクがチェックポイントに遅着してペナルティをもらった日は 彼女も同様にペナルティをもらっていた といったふうで 6日目の朝の段階では 3秒差でボクが負けていました。 ‥‥ 5日間競技をして、SSが9本(足すと80km~90kmくらいでしょうか) それで3秒差は かなりの接戦といえます。 最終日の3本のSSが、全部昼間のステージだったおかげで なんとか逆転できましたが ナイトステージがあったら、多分、勝てなかったと思います。 今回のボクのTBIを、刺激的なものにしてくれた 最大の要因は、間違いなく、クワシマさんでした 彼女の、ラリーに対する真摯な取り組みと丁寧なライディングに 多くのことを学びました。 本当に、感謝です。 2:燃費 原付とはいえ、エンジンがピンピン回るせいもあり 状況が許せば70km/h巡航も可能な 原付離れな走行性能のCRM50。 代償として、燃費も原付離れで だいたい、20km/L~25km/Lくらいだったようです。 増設タンクで容量を増して、約9Lのガソリンをもって レギュレーションで決められた 「200kmを無給油で走行できること」 は、ミスコースのリスクなどを考えると 結構、ヒヤヒヤものでした。 2ストオイルの消費も激しく 2日で1L弱使った計算になります。 そんなに使うと思ってなかったので、途中で買い足しました。 また オーストラリア製の、このバムタンク なぜか、キャップが左側に付いているので 満タン給油した後 普通にスタンドを使って停車していると 通気穴からガソリンが漏れ出してしまいます。 やむなく 特別仕立てで スチール製のスタンド補助器具を携行し ガソリンの流出を防ぎました。 ラリー中、ずっとお世話になった この補助器具 ラリー後は記念にガレージに飾ろうと思い 大切にしていたのですが 帰宅してみると、ありません。 まさか、ハニマル、捨てた? 3:タイヤ 前17インチ、後ろ14インチで 公道を走る、という条件では タイヤのチョイスは、かなり限られています。 MAXXISで、いいタイヤがあるようですが 入手できなかったので 今回は、ダンロップのK860という トレールタイヤを選択しました。 50ccの非力なマシンで 軽量だということもあり トレールタイヤなら、無交換でいいだろう と、あなどっていたのですが さすが、TBI 5日目の写真ですが かなり減ってしまっています。 3日目を終えた時点で、新品タイヤに履き替えたクワシマさんとは このあと、随分と差をつけられました。 けっこう、減るもんなんですね。 参考までに ハニマルトリッカーのツーリストは 同じ5日目の写真で、こんな感じ。 減ってはいますが 減っても相対的にグリップが変化しにくいタイヤのため 最後まで安心してラリーを過ごせたようです。 今回のハニマルのタイヤチョイスとしては、正解だったといえます。 4:頑丈 さすが、世界のホンダというべきか とにかく、頑丈でした。 オッジーさんや塾長、VV林さんのような荘漢が 総合順位を視野に入れて全開で攻め立てるような場合は知りませんが ボクレベルのライダーが「回して」走るぶんには ビクともしないマシンです。 4日目、TBI最長499kmのステージで 残り、百数十kmの行程 夜のSS開設時間終了まで、あと数時間 といった状況で 夕闇石鎚スカイラインに入り 休憩も何もせず、ひたすらアクセルを開け続け なんとか、夜のSSに数分差で間に合ったとき このエンジンのタフさに舌をまいたものです。 翌朝から、エンジンはすっかり絶好調になりました。 5:小さい 男子としては、かなり小柄で 足の短いボクですが それでもさすがに CRM50のポジションは窮屈でした。 ハンドルは少しだけ高くして ステップもワイドステップにしたものの スタンディングで乗るには、あまりに小さいので 基本的には、ずーっとシッティング。 膝とお尻が痛いこと痛いこと。 ノグチシートをお願いしていけば良かったと 期間中何度も思いました。 まあ、そんなこんなで まさに、このCRM50 このラリーのために生まれてきたようなバイクです。 速くも快適でもありませんが まさに、グランドツアラーだと言えます。 でも 次にTBIに出るのなら CRM50だと、強すぎるので もっと、「はかない」 4スト50で出たいと思います。 どんなマシンがいですかね。 かわりに、このCRM50で モンゴルの大地を行きたいなあ という思いが強くなっています。 塾長いわく ラリーモンゴリアへの原付旅は、いわば 「8000m峰、冬季、無酸素、単独」 だそうで それは、まあ、言い過ぎですが やはり、それなりにチャレンジングな行為になると思います。 カブやミニよりは、かなり現実的なセンですが…… ああでも、エコチャレンジじゃないしなあ… 厳しいかなあ…… いや、でも、このマシンなら…… 何年後になるか分かりませんが いいマシンに仕立てて あの無辺の大地を50ccで駆ける日が楽しみです。 あ、もちろん 塾長が来年アドベンチャークラスで使った後で結構ですんで。
by tachigoke400
| 2010-05-09 12:42
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