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2014年 10月 30日

たちごけ人生 オマケの人生

こんにちは。ご無沙汰しております。

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ぼちぼちと、リハビリを続けています。
ようやく、キーボードが触れるようになってきたので
久しぶりの投稿です。



そもそも、ケガってなんなんだ
レースでのケガか?
バイク?

と、いろいろ聞かれるので
縁起でもないハナシですが
やはりここで報告しときます。

辛気くさい話になりますから
そういうのが苦手な方は読み飛ばしてください。
長文ですし
半分は自分のためのメモみたいなものです。

次回の投稿以降は、いつもの「たちごけ人生」をお送りします。






9月の日高のレースが無事終わって(これはこれでまた書きたい)
そのまましばらく北海道に滞在して(これもこれで書きたい)
遊ぼうと思っていたのですが
日頃の行いの悪さのせいでしょうか
友人宅のガレージで自転車で遊んでいた際に
うっかり前転気味に転んでしまいました。

つまり、交通事故でもレースの事故でもありません。
自宅の階段で踏み外して転んだようなものです。



早歩き程度の速度で、ペチャンと転んだわりに
打ち所が悪かったのでしょうか
左頬から床に落ちて
その瞬間に、まるでブレーカーが落ちたように
身体中の感覚がシャットダウンしました。
触られても、なにも感じないし
もちろん、ピクリとも動かす事はできません。

意識はそのまま保たれていたので
自分の身体なのに、自分のじゃないみたいで
気味が悪いし、怖かったです。

救急車で搬送されながら
ヤバいな、自分、どうなってしまうんだろ。
どう考えたって、無事には済まなさそうだし
今は意識があるけど、まさかポックリ死んだりしたらイヤだな。
まだ、上の子供も小さいし
下の子なんて、産まれて3週間なのに
ああ、やってもうたなあ…

身体が動かないのに
意識だけは明瞭だったので
いろいろ考えてしまいました。
ちょうど、ボクが幼児のときに
祖父がやはり自転車で転んで
首から下が不随になってしまったことを思い出し
ああ、一緒やわ、苦笑…とか。





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救急で搬送された病院で
検査を受けた結果、脊椎にダメージがありそうなのと
鎖骨と肋骨の骨折の疑いがある、と言われました。

すでに深夜で
その頃には、少し、感覚らしきものが帰ってきていました。
そう。
上半身が猛烈に痛くなってきたのです。

痛い。

と、いうことは、何らかの神経が帰ってきたんだ
と、前向きにとらえることにして
ホッとしてみたものの

その晩はやはり痛さのあまり
まったく眠ることが出来ず
人生の中で、一番長く感じた夜でした。

文字にすると、たった3行の長い長い夜が明ける頃
ふと気がつくと、両足の感覚らしきものが
帰ってきていることに気がつきました。


おお、やった! 歩けるようになるかも!?

両足の先をピクリピクリと、動く感触を楽しみます。



そうこうしてるうちに朝ご飯。
上半身は相変わらず痺れて感覚はないし
布団が擦れても激痛が走るのですが
不思議とお腹はペコペコで
朝ご飯が待ち遠しかったです。

もちろん、動く事ができないので
ナースのお姉さんが食べさせてくれるのですが
そのあまりの丁寧さと優しさに
ちょっとした衝撃を受けました。

よく、ドラマとかAVとかだと、ナースさんが白衣の天使だとか
エロかったりとか、おかしな描かれ方をしているけど
実際は、もっとサバサバしててやさぐれたもんなんだ
と、身の回りのナースな友人を見て
勝手にあきらめに似た気分を持っていたのですが
なに、この天使のような優しさは!

ああ、白衣の天使は、やはりいたんだ!


なにせ、いままで大きなケガや病気がなかったものだから
人生で初めての入院で、しかも集中治療室です。

男性の看護士さんも
女性以上に優しくて献身的で
もう、これは何かの宗教なんじゃなかろうか
と、思うくらいです。



さて。

昨夜は、真っ暗ななか、バタバタとしていましたが
もういちど、明るい中、検査に向かいます。

ベッドに仰向けになったまま、キャスターでゴロゴロ移動します。
キャスターが段差を越えるたびに
上半身がビリ、っとして

「ゔ!!!!!」

と、うめくメンドクサイ患者で申し訳ない気分でした。

どこか知りませんが、とても綺麗な病院だなあ、と
動いて行く天井を見ながら思いました。
旭川かなあ、それとも札幌だろうか。


昨夜同様、MRIとかレントゲンとか撮ってもらいます。
後で、自分の輪切りの映像を見せてもらいましたが
めっちゃ面白いですね。

ただ、検査の結果はちっとも面白いものではなく
第3、第4のあたりに脊椎損傷があることと
鎖骨、肋骨は無傷であること
そのかわり
眼窩と頬骨の骨折があること
脳のダメージは無さそうだということがわかりました。



しかし、脊椎損傷かあ…

その響きだけでもおどろおどろしいなあ。
そうかあ……
ちょっとやそっとじゃ社会復帰は難しそうだなあ…


眼窩の骨折によって
視力への懸念もありましたが
どうやら、こっちのほうは、大丈夫みたいです。
頭蓋骨も、ズレでいないので
このまま自然にくっつくのを待てばいいようです。




ライダー仲間たちに言わせると
骨折のケガは、大変だけれど、なんだかんだで治せるから
まだ、いいけれど(…よくないけど…)
神経の損傷は目に見えない部分だし、手術もできないから
やっかいだし、怖い。
と、言われる部分を
よりによって、やっちまった……



そう。
バイクに例えると
骨折てのは、パンクだとか、フロントフォークがよれたとか
ハンドルが曲がったとかレバーが折れた、みたいな
目に見える故障で、修理したり部品交換で治せます。

それに対して、今回のボクは
電気系のトラブルです。目に見えない上に
しかも、そのうえAssy交換できませんよ
と、言われてるようなものです。
配線が切れてるならまだわかりますが
皮膜コードは無事なのに、なかでは断線してるかも
みたいな、メンドクサさと絶望感。

しかも、人体の電気系配線の複雑さは
オートバイのそれとは比較しようがない
複雑かつ長大な部品です。





頼みの綱は
人体の不思議。
自己修復機能しかありません。


その晩は昨夜と違って
すこしずつ、眠ることが出来ました。

寝ながら、神経が急激にビキビキ繋がっていく
夢を見ていました。
暗いトンネルの中で、ときおり光る何かが
バチバチ走りながら、何かにぶつかって
ビチン、と結合して、また光って、消える。
その膨大なスピード。

やった!

と、思って目覚めるけど
やっぱり身体は動かない。

なんだ、夢か…



似たような夢を、繰り返し見ました。





翌日。

夢のおかげでしょうか
両足が動くことに気がつきます。

しかも、左手の感覚も帰ってきて、かすかに動かすこともできます。

おお。
やった!




生き死にの部分は
とりあえず脱出したので
普通病等の個室に引っ越し。
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布が擦れても、ビリビリ痛いので
上半身は裸。
下は紙オムツという、変態紳士ぶり。


この頃は、みるみる回復して
どんどん感覚が帰ってきていました。
その夜には、車いすへ移動するために立ち上がったり
左手の指で、iPhoneを操作できるまでに回復しました。

お医者さんから
最初にどこまで回復できるかがキモですからね
と、言われていたので、神経さんたちが頑張ってくれたのでしょう。



両足が動いて、左手が動くとなると
かなり、生活は出来ます。

ボクは一応、デザインの仕事をしていますから
利き腕の右が動かないことは死活問題ですが
割り切って考えると
大きな会社に勤めているので
他の職種に移動させてもらうことも可能でしょう。

クルマの運転も、できそうです。
イヴォークもミニも左にウィンカーレバーがあるし
ヘッドライトスイッチも、イヴォークは自動モードがあるし
ミニもインパネ下の左側にあります。

バイクも、なんとか運転できるんじゃないか。
アクセルを左に移設して、ブレーキレバーも移設して…
片手に操作系を集中させた例は、愛知には身近だし。
公道はダメかもしれないけど…

食事も左で出来るよな。
字も多分、練習したら書けるだろ。

クライミングはキツいか…?
まあ、片手限定のルートを作って遊べばいいか。

子供をお風呂に入れるのは、ちょっと怖いなあ…
でも、少し大きくなったら、多分大丈夫だ。

おお。

考えると、まあまあイケそうだぞ。生活。


最初があまりにひどい状態だったので
数日でここまで回復できたのが
ホントにラッキー。





こういうこと書くといやらしいけれど
ボクはこれまで、ちょっと絵を描くのが上手だという
天からもらった才能を、たいして磨きもせず
もちろん、感謝もせず
その才能に頼って、生きてきました。

たぶん、磨けば、もっと何らかの光彩を放ったかもしれませんが
鈍く錆びさせたままでも、あんがい人生は順調で
大学に行って、大学院に行って
就職して、結婚して、家も建てて、子供もできて
苦労らしい苦労もなく
人生はイージーモードです。

何かの高みをめざせば、違うのでしょうが
その気もなく、毎日平々凡々と生きています。

不得手なバイクで遊んで苦労することで
人生のバランスをとってたんじゃないか、とさえ思います。

そんな、漫然と生きてきたボクの
唯一の武器だった右腕を
天は
こういうタイミングで奪うということは
きっと、もっと人生を楽しめ
ということなんだな。

人生の難易度がすこし上がったのを、感じます。
それならそれで、面白い。

いいもんね。
絵が描けなくても
カメラも使えるし、文章だって、不得意じゃない。


一歩間違えたら
死んでたかもしれないし
植物人間になってたかもしれない。

生きてるのは、当たり前のことではなくて
幸運の積み重ねの上にある。

とにかく
天の気まぐれか何かしらないけど
ボクは、とりあえず、生きていて
身体も少しづつ動く。

本当に、ラッキー。


キミのこれからの人生は、いわば「オマケ」みたいなものです。


お見舞いに来てくれたお坊さんに
そう言われました。

そうですね。
たしかに、オマケかもしれません。
オマケは、大事にしないと。





翌朝

右手の小指が、かすかに動いたような気がして
目が覚めて
確認したいけど、首は固定されて動かすことができないので
左手をゆっくり移動させて
右腕を掴んで、胸の上に乗せました。


おお。

小指、ピクリと動いてる。
自分の意志で動いてる。

おかえりー!右手!

無我夢中で、左手を使って
右手をグニグニ動かして
一人歓迎会をやってしまいました。





その後は、大部屋に引っ越しして
どんどん、回復していきました。

昨日まで車椅子だったのに
次の日は歩けるようになって
ご飯も自分で左手でた食べる。
上半身裸生活も卒業。
どのナースさんが好みのタイプか分析。
シフトも把握できるようになりました。



そうそう。
病院は札幌でも旭川でもなく
砂川という、小さな街で
スイーツと馬具くらいしかトピックがない所ですが
なぜか、唐突に立派な病院があるようです。



最初は
食事をアーンとか
着替えとかシャワーとか
首の装具の付け替えとかで
近すぎてドキドキなナースさん達でしたが
だんだん、回復してきて
なんでも自分でやらないといけなくなってくると
なんだか
入院している旨味も減ってきたように感じ

そろそろ潮時か…


と、入院2週間少々で
退院を決意しました。
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ああ。
楽しかったなあ…

砂川の病院。

もし、これから北海道へスキーでも行くことがあったら
あそこらへんのスキー場にしよう。
もし骨折でもしたら、あそこに搬送されるんだ。









今は愛知の自宅でリハビリに通っています。

もう、首の装具も外してよくなって
クルマの運転もできるようになりました。

下半身は、ほぼ健常者とかわりません。
かるいジョギングは可能です。

上半身は、常に重いザックを背負っているような
鈍痛と軽い痺れがありますが
いちおう、可動範囲はすべて回復してきました。

右手は左手に比べて半分くらいの力しかありませんが
台所仕事程度は可能な筋力まで回復しています。

もう、見た目は、ちょっと疲れてる普通の人レベル。
懸垂は一回たりともできませんが……苦笑


ただ、皮膚感覚は曖昧で
なんか、服を何枚か余分に来てるような。
常に寒く感じるし、手足はかじかんだ感じです。
44度のお風呂に入ってもぬるく感じるので
火傷には注意がいりますね。



WRは北海道に置き去りですから
しばらく乗る事はできませんが
トライアルマシンがありますし、あれは軽量なので
リハビリライドにはもってこいでしょう。




医者の診断書は年内一杯は療養とのことですが
この感じなら、11月中には職場復帰できるんじゃないでしょうか。
もちろん、絵も描けますよ。
すこし、マシな線がひけるようになってきました。




家族をはじめ、たくさんの人に
ご心配やご迷惑をかけてしまって
申し訳ない気持ちと
そういう相手がいるということのありがたさを
しみじみ思います。

ボクのオマケみたいなこれからの人生が
いつか何かの場面で、誰かの人生に
オマケを分けてあげられるといいな。





もうしばらく
ジックリ治します。

待ってろよ、Betaちゃん、WRちゃん!

by tachigoke400 | 2014-10-30 20:11 | その他 | Comments(12)
2014年 10月 04日

はじめての入院

入院生活は最初は物珍しさと
自身の悲運もあって
それなりに濃度あるものでしたが
さすがに、怪我の回復の見込みがついてきたのと、慣れたので
ヒマでヒマで。

毎日リハビリに明け暮れています。
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とりあえず
歩けるようになりましたし
左腕はなかり自由です。
商売道具の右腕は痺れが強くて
絵も字も書くことはできませんし
キーボードもマウスもキツイでしょう。
つくづく、iPhoneの文字入力システムは素晴らしい!なんて。


来週の飛行機で、愛知に帰ることができそうです。
北海道は日に日に寒くなってきて
もしかしたら初雪も見れるかも、という気もしますが、さて、どうでしょう。
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あー。

はよバイク乗りたい。


あ、WR250Rはスケテツさんちのガレージで
冬を越すことになりそうです。
しばしの別れだ。
浮気なんかしないから、安心しておやすみ。

う、浮気なんかしない、て!たぶん。

by tachigoke400 | 2014-10-04 14:27 | その他 | Comments(2)