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2014年 06月 27日

白い三河武士

このごろ、ウチのニューカマーは
白いヤツが多い気がします。


ミゾレしかり。
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WR250Rしかり。
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掃除機が具合悪くて
買い替えることにしました。

具合が悪いといっても
故障したわけではなく
使い勝手が良くないということです。



数年前に買った東芝の掃除機で
至って普通に吸うし、問題ないのですが
いかんせん、重いのと
コードが邪魔で取り回しが悪い事がストレスでした。


掃除中に、幼児がコンセントを引っこ抜くというのも
使いづらい理由です。




この際、軽量で取り回しの良い
コードレスのクリーナーが欲しいと
ハニマルが言います。

どうやら、友人宅で見せつけられた
コードレスクリーナーが羨ましくなったようです。



ハニマル的な候補は
こういう
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置いてるだけで
気持ちがウキウキしてくるような
見ていて楽しい、チャラい掃除機たちです。

いかにも30代半ばの女性にありがちな
舶来上等志向だこと…

マタニティーズハイというやつかもしれません。




クルマもバイクも掃除機も
質実剛健を旨とすべきで
デザイン(狭義)など、二の次三の次です。

リビングの片隅に置いておいてもサマになる
見せる収納なんて、もってのほかです。
平安の昔から、掃除機の住処は納戸と決まっているのです。
掃除機ごときが着飾るなんて、考えられません。


また、最近KTMを手放し
ヤマハとBetaにバイクライフを集約し
急速に国粋主義を強めているボクとしては
欧米列強の大鑑巨砲主義的な掃除機が
納戸の主たる座に納まらんとすることは
ゆるしがたい状況です。





地産地消。
ああ、なんとシンプルで心地よいフレーズ。

身も心も関西人ですが
住民票を愛知に置いてはや十年以上。
戸籍上は立派な東海人。

クルマはトヨタ(ミツビシも可)
バイクはヤマハ(スズキも可)
ストーブはトヨトミ
酒は女城主
歓楽街は錦3
ケチャップはカゴメ
酢はミツカン
タイヤはIRC

あと、何だっけ?





まあ、そんな感じですから
掃除機も、愛知県は安城産
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マキタを導入。
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うん。
飾りっけゼロ。

まさに質実剛健。
工具メーカーらしいガテン系な無骨いルックス。
まるで戦国期の三河武士をそのまま掃除機にしたかのようです。




見た目の質朴さは
ほとんどホームセンターの安売り掃除機を下回るいきおいですが
この三河のお侍さんは
なかなかスゴイです。

ダイソンと比べると
最高出力比較では、あちらは64Wに対して
半分くらいの30Wですが
持久力は向こう6分に対してこっちは20分。
持久力モードでは
ダイソンが28W13分に対して
マキタは11W40分。

かなり個性の違う2台で
三河武士の粘り強い気性がうかがえます。
ちなみに、28Wもあれば、床に落ちた米粒はじめ
通常の掃除で吸うべき対象は楽勝で吸えます。

特筆すべきは
充電時間。
ダイソン3時間半
マキタ22分

値段はダイソンがおよそ3万5千円
マキタがおよそ2万7千円



そう。

値段のわりに
おそろしく見た目が質素な三河武士は
とてもとても働き者なのです。


爆音で有名なダイソンと違って
マキタは穏やかな語り口です。


例えるならば
ダイソンは2スト300ccで
マキタは4スト250ccといった印象でしょうか。

どちらが家庭的かは
言うまでもありません。



手元には
さりげなく
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LED照明がついており
薄暗い隙間などに隠れた残党や落ち武者たちを
逃がしはしません。


ウチのは
ゴミ捨ては、フィルターにたまったやつをポイですが
同じ製品でも、紙パック仕様も用意したりと
なかなかの気遣いです。



バッテリーは
職場とかで見慣れた例のアレと同じで
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ここがマキタ掃除機の最大のキモの部分です。

実際、値段に占めるバッテリーの割合が
半分くらいみたいです。
もちろん、このバッテリー一つで
マキタの電動工具の大半が使えます。

ウチにはマキタの電動工具はありませんが
じゃ、せっかくだからこれから工具はマキタにするか
という気分にさせられます。


充電器ユニットも
他の掃除機とは一線を画しており
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まるで山のようです。

しかも、充電中、冷却ファンが
ゴーっと唸りをあげている様が
家電っぽさ皆無で、頼もしいかぎりです。




ハニマルも最初は
この安っぽい見た目に

うーん

と、言っていましたが
圧倒的な取り回しの良さと軽さ
静粛性、切れ味

すぐに、マキタ掃除機が大好きになりました。







今日も
白い三河武士は
ウチの納戸で目を閉じて静かに座していますが
その左手は、鯉口を切り
いつでも抜き打ちの逆袈裟斬りが放てる
臨戦態勢です。

うん。
たのんだよ。

by tachigoke400 | 2014-06-27 05:43 | 家 ワンダーデバイス 生活日誌 | Comments(2)
2014年 06月 19日

ヘルメット新調 VFX-W

オートバイを乗り換えたのを機に
ヘルメットを買い替えることにしました。
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一つの購買行動が
また別の物欲を刺激し、それがまた……
よくあるハナシです。
ボーナス前なんて、とくにね。



ショウエイのVFX-W。
たぶん、いま現在、もっとも
一般的というか、ハイスペックなオフロードヘルメット。


へえ。
ベンチレーションのフタとか
そういう、いかにも日本人が好きそうなギミックが
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いっさい無いんですね。
どうりで軽いわけだ。



んー。
イカつい。
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これだけ造形をアピールされると
グラフィックモデルではなく
単色でその造形を楽しみたい、というわけで
白、艶あり黒、艶無し黒の3色のなかで
一番、造形のわかりやすい、マットブラックを選択しました。

マットホワイトがラインナップにあったら、そっちにしたかもしれません。






しかし、アレです。

撮影しようと思ったら
ミゾレが邪魔すること、邪魔すること。



おい。
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仔猫じゃあるまいし、入れません、て!


と…撮れない…
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よせ、押すな…
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何くつろいでるんですか!
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まあ、いいや。



冬用のOGKにひきつづき
夏用のヘルメットも、マットブラックで
エッジの立ったものに統一されました。
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白いWR250Rに、よく似合うことでしょう。






そういえば、ハニマルのヘルメットも
FOXのマットブラックだったな…

なんだか、ウチのガレージはマットブラックだらけになってきましたぞ…

by tachigoke400 | 2014-06-19 05:29 | オフロードバイク | Comments(8)
2014年 06月 13日

WR250R 妄想インプレ #2

WR250Rの登録変更に行ってきました。
三河ナンバーから尾張小牧ナンバーへ。


これで名実ともに、たちごけファミリーの一員です。
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かれこれ2週間ほど生活してみて
やはり、ヤマハが本気で作ったトレールだけのことはあるな
と、感心させられることばかりです。
こういうことは、コースやお店の近所の試乗では
なかなかわかりづらく、自腹を切って乗ってみて
あらためて、いい点も悪い点も、見えてくるものです。
バイクにかぎらず、クルマでもそうですが…



そんなWR250Rですが
買って最初の月曜の朝
エンジンをかけ、数メートル走っただけで
これまでのブロンコやGL400とは決定的な違いがあきらかになりました。
とても満足しています。
と、いうのは
↓ココ (例:GL400)
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そう。
朝のゴミ出しの時の
ぶら下げたゴミ袋と排気管の干渉による
ビニールの溶断と内容物の散乱という
家庭的バイク野郎とは
切っても切れない悩みの部分です。

ごらんのように
WR250Rは、通常ゴミ袋をぶら下げる左手側に
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いっさいの排気管が存在しません。

タンクのシュラウドが大きく張り出しているため
エンジン本体との干渉も、もちろん心配ありません。

また、長いサスペンションを持つことで
不意の揺れによる
ゴミ袋と前輪の干渉も、かなりの余裕を持つ事がわかります。

朝のゴミ出し時の安心感、安定感は
メーカーが通常謳わない部分ですが
こういうことも
ストリートマシンとしての”性能”ですからね。
250ccとしては高価にもかかわらず
どうりで売れているわけだ、と、納得です。








さて。
最初に店先で試乗した際
このマシンの静粛性や加速のスムーズさ
街乗りでのサスペンションの具合の良さなどを
以前インプレッションとして記載しましたが
あらためて、2週間ほど乗ってみた感想などを
まとめてみたいと思います。








(以下、オーナーインプレッション)
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※今回も長いです。また、あくまで個人の感想です。





「おはよう。昨日、キミとのことを役所に書類を届けてきたよ」
「そう」
「ほら、新しいナンバープレート。似合うといいけど」
「尾張…小牧……」
「すまないね。田舎っぽいナンバーで」
「気にしないわ。4文字もあるなんて、新鮮でいいんじゃないかしら」
「そう言ってくれるとホッとするよ」
「それに、前の三河ナンバーだってじゅうぶん田舎っぽかったわ」
「違いない(笑)」

実際のところ
彼女の白い肌に、真新しい純白のナンバープレートは
よく似合っていた。
ボクはしばらく、うっとりとその姿に見とれていた。

「このナンバープレートも、じきに折れたり曲がったりするのかしら」
「きっと、そうだろうね。それが一緒に暮らす時間の証になると思ってるよ」
「あら、案外ロマンチストなのね」
「からかうなよ」
「えへへ」
「さ。エアフィルターを洗うから、サイドカウルを脱いで」
「あなたが外してよ」
「え、なんか照れるなあ」
「そんな顔されたら、こっちもテレちゃうじゃない/////」
「ご…5ミリの六角だっけ?」
「ええそうよ。あとエアフィルターボックスのフタはプラスネジよ」
「キミんちは、こういうの統一しないのかい?」
「アタシに言われても…」
「そうだね、ゴメン。あとで六角で統一していいかい?」
「あなたの好きなようにしていいわよ、アタシはもうあなたの物なんだから」

まるで
初めての少年のように
緊張した手で、ボクはそっと
白いカウルを脱がせると
その下の黒い下着に触れた。

彼女の言う通り、プラスネジが
アクセントのように、キラキラとガレージの照明を反射している。
セクシーだ。

CRMやKTMのように工具無しでいきなり開けられるのは
もちろん合理的で良いと思うけど
こうやって、六角レンチで儀式めいた開け方をするのも
また男の愉しみのひとつだ。

全裸の女性よりも
着衣の女性を一枚一枚脱がせていくほうが
その興奮が大きい、て
北海道のスケテツさんが言っていたっけ…

そんなことを思い出しながら
ゆっくりと彼女の胸元を開けると
想像していたよりも小振りだけれど
ぷるんと張りのある
形の良いエアフィルターが姿を現す。

「小さくてゴメンね」

彼女は恥ずかしそうに、そう言った。
いや。世の中にはたしかに
エアフィルターは大きいのを好む男性も多いだろうけれど
ボクにはそういう嗜好は無い。

そういえば
KTM250SXのは、いかにもゲルマン系らしく
どーん、と大きいし
CRF150Rのも、あのロリ系の体型から想像すると
不釣り合いなくらい大きかったっけ。
Beta EVO250 2Tのは、ラテン美女って感じで
小振りでカタチがいい系だ。
……
ブロンコのは、デカい小さいの問題ではなく
もう、「板」だったなあ…


そんなふうなことを思い出しながら
ボクは目の前のエアフィルターにそっと手を伸ばし
節度ある留め金を外す。

ひといきに、それを取り出すと
感触を愉しむのもそこそこに
静かに洗油に浸した。


………
……

「そんなに強く揉まないで、壊れちゃうわ」
「え、あ、ゴメン、つい」
「つい何よ」
「いいカタチだなあ、と思って」
「いいカタチなら、強く揉むの?」
「揚げ足を取らないでくれよ」
「ふふ。ごめんなさい。もっと強く揉んでもいいわよ」
「よーし、じゃあ、オジサン張り切っちゃうぞ(笑)」
「これからも、定期的にしてくれる?」
「週に一度はしてあげるよ」
「最初はそんなこと言って、だんだんおろそかになるんじゃないの」
「う……そうならないように気をつけるよ」

そういえば、ブロンコとは
月に一度くらいだったな…

「……前のあなたのバイク」
「ブロンコ?」

ブロンコとのことを思い出していたのを
見透かされたような気がして
バツが悪そうに顔を上げた。

「引き取り手が現れたそうね」
「…店長から聞いたのかい?」
「幸せかしら」
「………」

ボクは彼女のエアフィルターを揉むを止め
梅雨入りしたばかりの
鉛色の空をボンヤリと眺めた


………

あんなに気に入っていたバイクなのに
今はまるで他人事のように話が遠い。

我ながら、薄情な男だと思う。
いつから、こういう男になってしまったんだろう
いや、きっと、はじめからこうだったんじゃないだろうか。

ああ、でも、最初のジェベル200との別れは
本当に本当につらくて、ずいぶん後まで尾を引いたっけ。

やはり、ダートライダーなんていうのを長くやっていると
だんだんと心の皮膚が分厚くなってきて
愛だの情だの、そういうことに鈍感になっていくのかもしれない。

バイクをまるで、物や道具のように見てしまう自分に気づく。





急に興が醒めて
ボクはエアフィルター洗うのを早々に切り上げて
タオルで水分を取り、圧縮エアーで乱暴に乾かすと
フィルターオイルをスプレーして、元通り彼女に組み付けた。

白いサイドカウルを5ミリの六角で締めると
彼女は、まるで何事もなかったかのように
澄ました姿に戻った。

「ねえ…」
「ん?」
「怒ってるの?」
「いや」
「そう…」

梅雨だというのに
空は不思議と明るい。

「ねえ…」
「ん?」
「コースに行かない?」
「今から?」
「そう。今から」
「午後はイヴォークちゃんと出かける予定があるんだ」
「昼に帰ってきたらいいじゃない」
「あわただしくなっちゃうな」
「心配いらないわ。このまま走って行っていいもの」
「そうか」
「そうよ」

水と工具をリュックに詰め
アルパインスターのテック6に足を通す。
コースに行く準備は、これだけだ。
映画「天空の城ラピュタ」のドーラおばさんじゃないけど
「40秒で支度しな」と言われても
可能なような気がする。

ストリートリーガルっていうのは
面倒なことも多いと思って
ここ数年敬遠してきたけど
改めて考えてみると、自由なんだな。





「行こうか」
「ふふ。他のバイクのことなんて忘れさせてあげるわ」





早朝の雨が嘘のように
よく晴れた空の下を
コースに向かって走る。
少し湿気た朝の空気が気持ちいい。

今日は暑くなりそうだな。



コースには、15分ほどで到着した。
クルマで来るより、5分ほど速いのは
WR250Rが速いせいか、単にボクの気が急いたからか。

いつものことだが
このコースは空いている。
選手権とかそういうイベントとは無縁だから
あまりシリアスなライダーは来ないらしい。

ときおり、オフシーズンのIAライダーなんかが
連れ立って走りに来ていて驚くこともあるが
普段は、ホビーライダーがポツポツ走るコースだ。

こういう穴場的なコースというのは
ありそうでいて、実はなかなかに貴重だ。



コースにはWR250Rの姉たち
つまり、長女YZ250Fや次女WR250Fの姿も見える。
さすがに”剣と槍”のお稽古に特化した彼女らは
WR250Rに比べて、スレンダーで筋肉質だ。
しかし、どうも
ボクはああいうストイックさが苦手だったようで
WR250Rの適度に柔らかい
年頃の子に相応の健全な体つきのほうが好ましいなあ
と、思うようになってきた。

おじさんになってきたからだろうか?



コースの管理人さんに走行料1500円を支払うと
受付前に荷物を置かさせてもらうことを断りを入れ
ナンバープレートを取り外すことにした。
コース内でナンバーが外れて紛失すると、やっかいだからだ。

「このナンバーのステーってさ…」
「ぎく…」
「むやみに重くてデカいよね」
「で…デザインよ、しかたないの」
「しかもユニットで外れると見せかけて」
「ごめんなさい…」
「案外、外すのが面倒だ」
「は、外さなくても走れるでしょ」
「ん。そうだね。今日はナンバープレートだけ外すよ」


ミラーとナンバープレートだけを取り外し
持参した水を一口飲むと
誰も走っていないミニモトコースに最初の轍をつけに行く。


「タイヤが減ってるから気をつけてね」
「言われるまでもない」
「空気圧は調整した?」
「いや、1.5のままだよ」
「うっすらマディよ、大丈夫?」
「う…ん、やっぱし滑るね、でも大丈夫」
「ふふ、コケないでよ」
「右にだけはコケないようにするよ」
「気を使ってくれてありがと。ラジエターが弱いのよアタシ」
「ところどころ抜けてるよね、キミ。そいういうところが可愛いけど」
「いいのよ、無理しなくても…」




「ずいぶん慎重なのね」
「だって…しょうがないだろ」
「もっと激しくしてもいいのよ」
「ボクはツーリングライダーだから…」
「そういう言い訳は感心しないわね」
「ぐ…」
「心配しないで。もっと激しくストロークさせても奥まで当たらないから」
「ああ、でもとっても柔らかくて心地いいや」
「うふふ。だんだん馴れてきたみたいね。そう、上手よ」
「あのテーブルを飛んでみてもいい?」
「もちろん」
「!」
「:)」
「すごくフワっと着地したよ」
「距離もちょうど良かったでしょ?」
「もっとドスンといくかと思ってた」
「失礼ね」
「最終コーナーの立ち上がり加速もシルキーだ…」
「最後のテーブルも飛んでみせてよ」
「!」
「:(」
「ゴメン、足らなかった…」
「いいのよ、だんだん馴れていけば」
「でも、足らなくても、すごく優しい着地だった」
「次はもっと加速してよ」
「うん。飛べそうな気がしてきた」
「飛ぶ時は、もっと上手に”抜いて”ね」
「へへ」



「本コースも案内してくれるわよね?」
「もちろん、そのつもりだよ」
「このまま行っちゃう?」
「タイヤ空気圧だけ、0.8に落とさせて」
「あら、結局ムリしてたんじゃない」
「強がりたい生き物なんだよ、オトコなんて」




「こんなにリラックスした気分で走れるなんて…」
「でも、ペースは普段とあまり変わらないんじゃなくて?」
「いや、やっぱり遅いよ…少し」
「そう? ここの飛距離は、どう?」
「あれ、いつもと変わらない…?!」
「でしょ? ちゃんとスピードに乗ってるわよ」
「キミがあまりに静かすぎて、感覚がまだ馴れないんだ」
「今日はDRCのクロスモニターは無いの?」
「無いんだ。あったら、タイムを計測したかったね」
「体感ほどアテにならないものは無いのよ」
「時計だけを便りにバイク選びをしたくは無いけどね」



「奥の上りも、じゅうぶんなパワーだ…」
「ふふ」
「………?」
「どうかしたの?」
「いや、以前、ヤブさんのWR250Rに乗った時とパワー感が違うなあ、と」
「そうかしら」
「そうだよ、数年前の記憶だけど」
「気のせいよ」
「キミ…もしかして、ハイスロットルに変更してない?」
「……オンナは化粧で変わるものなのよ」
「いや、いいんだけどね」








あ、っという間に時間は過ぎてお昼になった。
ボクらは再びナンバープレートをミラーを取り付け
仲間たちへの挨拶もそこそこに、帰路についた。

さっきまで、コースで激しく乱れていたのが嘘のように
WR250Rは澄ました顔で国道363号線を流している。
どっちが彼女の本当の顔なのか…

きっと、どっちも本当のWRなんだろう。

たとえば、夏の日
朝、コースに走りに行き
昼食をそこで済ませ
午後はそのまま岩村までツーリングに行き
城跡を散策しながら、午後のコーヒーをいただき
醸造所に寄って女城主の原酒を瓶詰めしてもらう。
お酒がぬるくならないよう、すみやかに帰宅して
夕方の日差しの下、蚊取り線香の香りを肴に
一杯ひっかけながら、洗車。

そんな、バイク乗りらしいエッセンスの詰まった1日を
この子となら過ごせそうだ。








「いい朝だったよ、ありがとう」
「愉しんでくれたみたいで、嬉しいわ」
「キミみたいな子が、まだ日本にいたんだね」
「欧州美女に執心みたいだったけど、大和撫子もいいもんでしょ?」
「誰が欧州美女に執心だって?」
「みんながそう言ってたわよ」
「ろ〜じ〜サンだな、きっと」
「さあ?! クマみたいなオジサンかもよ?」
「あ、クマみたいなオジサンと言えば、コカされたところ大丈夫?」
「ええ、なんともないわ。」
「まったくMASAさんはいつまでも若いよね」
「いいことじゃない」



「あなたの家からコースは近いのね」
「そうだね」
「来週も走れるかしら」
「来週と言わず、今から戻ってもう一回やりたいくらいだ」
「ふふ、元気ね。…アタシは全然かまわないわよ」
「…よせよ。向こうからイヴォークちゃんがスゴイ顔で睨んでるぞ」
「あら、こわい」
「さ、シャワーを浴びて、出かける準備をするか」
「はいはい」
「ボクは後でいい」
「ありがと。じゃ、お願いするわ」

リョービの高圧洗浄機のトリガーを握り
キラキラと舞う水滴の向こうで
気持ち良さそうに目を瞑るWR250Rを見ながら
ボクはこれからの生活について考えていた。

もしかしたら
WR250RとBeta EVO 2Tの2台があれば
バイクライフは完結してしまうのではないか…?

常に、身辺は簡潔であるべし、と
「坂の上の雲」で秋山好古が言っていたっけ。

そういうことか。




KTMとの別れの予感……



空は、依然として明るく
日差しは夏の日のように。

by tachigoke400 | 2014-06-13 05:32 | WR250R | Comments(0)
2014年 06月 09日

WR250R 新婚1週間たって

WR250Rがウチに来て
早いもので、もう1週間です。

ちょっと通勤で使うには

なタイヤを履いていて
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このVE33というタイヤは、見た目はアレですが
雨のアスファルトも、思ったよりはグリップしてくれます。

でも、もう山も少ないし
通勤で使うと、すぐにツルツルでしょうから
近いうちに換えないとなあ……

どんなタイヤがいいですかね。

ツーリストでも良いのですが
せっかくなので、他のも試してみたいと考えています。
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同じIRCのTR8なんて、どうですかね。

MT21とかT63とかと比べて
持ちとかグリップとか、どうなんだろう。




さて、タイヤは消耗品ですから
そのうち換えるとして、他にも
換えたいところがいくつかあります。
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グリップは、だいぶ減っています。
また
ハンドガードはあまり好きではないので除去したいかなあ。
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とりあえず、ブロンコから奪い取ってきた
グリップと、ピボットレバーを
移植。
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ブロンコの魂はここにいつまでも生きているよ……
と、自分に言い聞かせてみたり。





この子
見た目はノーマル然としてますが
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フォークのエア抜きのバルブが付いていたり
スロットルチューブがアルミだったり
(↑グリップを交換したときに気づいた)
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ブレーキホースがメッシュになってたりと
なかなかシブいモディファイがなされています。

そういえば、フォークに
テクニクスのステッカーが貼ってあるけど
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これも何かしてあるのかなあ……?




ハンドルバーの絞りとか
高さとか
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好みではないので交換したいところですし

あと、ステップをワイドステップにしたほうが
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きっと乗りやすいかと思います。

ま、このへんはそのうち。







この、いかにもゴッツイ
リアステー……
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YZF−R6とかみたいで
個人的には嫌いではありませんが
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なかなか作りがしっかりしていて
実際、外して手に持ってみると
ずっしりと重いのですが
裏側からみると
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うん、これは確かにゴッツイ。

きっと、適当にコケたら折れたり曲がったりするでしょうから
そしたら、別のに交換しよう。






通勤で使ってみると
もちろん、走りはスムーズ。

タイヤがタイヤなので
ちょっとゴツゴツしますが……


同じ通勤路比較で
ブロンコと同じ燃費をたたき出したのには
ちょっと驚かされました。
リッターあたり28km。
上出来上出来。
ハイオク指定ですが。

7リットルちょいのノーマルタンクでも
200kmの航続距離が期待できますから
ビッグタンクは必要ないかなあ…



ブロンコで
毎回ヒヤっとしながら通過してたギャップも
もっと速い速度でガーっと抜けられるし
カシャンカシャンとフルボトムしてた小さなジャンピングスポットも
何事も無く着地。

当たり前ですが
快適すぎます。



ちょっと鼻についていた
いかにもカッコいいルックスにも慣れてきたし

いいバイクです、WR250R250R。



日曜日は、コースも走ってみたのですが
これはこれで好印象。
こちらについては、また別にしたためるかも?!

by tachigoke400 | 2014-06-09 06:43 | WR250R | Comments(6)
2014年 06月 07日

一夫一婦制

ハニマルのMTBは
もともとはダートジャンプ用のカテゴリーのもので
シンプルだったのですが
なぜか、王滝の耐久レースなどに出たりしているうちに
気がついたら、ゴテゴテといろいろ付いてしまいました。
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もともと、この自転車は
フロント1速、リア9速の
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一夫多妻制変速システムでした。

現在のMTBの変速のトレンドは
1枚の夫フロントギアに対して
リアにAカップ美少女からIカップ熟女までを
ズラっと並べた、一夫多妻だそうです。

しかし
ハニマルがクロカンで使ううちに
フロントにも
厳格な夫と、チャラいヒモ男みたいなギアが2枚増えて
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多夫多妻制に移行していきました。


多夫多妻制の良いところは
様々な場面や環境の変化に
柔軟に対応して生き残る事ができるという点です。

反面、大家族ゆえに
どうしても大所帯になってしまい
軽快さをスポイルし
また家庭不和のリスクを常に負うことになります。







現在、ハニマルは妊婦だから自転車には乗れません。
また、産後に落ち着いてから乗るようになるにしても
今度は軽量なクロカン用の自転車を買うと言っています。


ということは、このGTのラッカスSXは
もう、純粋に遊べる自転車に仕立て直しても
誰も文句は言わないということです。

現在、この自転車が担当している遊びは
パンプトラックと、それから
ヤブさんが始めたトライアルに付き合うような
真似事トライアルになるかと思いますから
前後の変速機構は不要です。



そう。

清く正しい、一夫一婦制の導入。

近代国家への幕開けです。







自転車いじりというのは
こじらせると湯水のようにお金が飛んで行ってしまうので
注意が必要ですが
今回の場合、不要な部品を取り外していくだけなので
基本的には、財布に優しいアレンジです。

…そのハズでした。




取り外したギアのかわりに挟むスペーサーと
チェーン張り調整のためのテンショナーだけを用意して
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さあ、やりますか。

自転車をひっくりかえして
チェーンを切って
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後輪を外して
カセットスプロケットを外します。

手持ちの工具では、外す事ができなくて
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専用工具が必要らしいので買ってきました。

ネットで見ると、固着して取れない
なんていう話も聞きますが
あっさり外れました。
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自転車は門外漢なので詳しくないのですが
どうやら、外側2枚の子だけバラせて
内側7枚は、セットのようです。


ついでなので、リアのブレーキディスクだけ
径の大きなものに交換して
e0173145_6382795.jpg

制動力を増してみることにしました。

これは、ヤブさんのトライアル自転車のい
リアの油圧リムブレーキの脅威的な効きに
少しでも対抗しようという、涙ぐましい行為です。

もちろん、そのまま取り付くハズはないので
キャリパーをオフセットさせるべく
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スペーサーを買いました。

よしよし。
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ついた、ついた。



フロントスプロケットもバラしにかかります。
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大きいスプロケは取れたけど
中くらいのスプロケは
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知恵の輪のように頑張ったけど
どうしてもクランクを外さないと
取れないみたいです。

クランクを外す為に
これまた専用工具が必要で
e0173145_6465167.jpg

買いに行ってきました。



よしよし。
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取れましたぞ。





後ろのギアは
バラすことのできた小さいギア2枚のうちから選ぶしかなく
下から2番目に小さいBカップのスレンダー美人(12T)を本妻を定め
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スペーサーをかませて
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無事、入籍。


リアに微乳12Tを入れたので、フロントも3人の夫のなかで
一番チャラい22Tを選択しました。



BMXとか、最初からシングルギアの自転車は
ホイールを前後にアジャストして
チェーンのテンションを調整するのですが
一般的にマウンテンバイクでは
変速機がその役割を担うので
今回は、それに相当する仲人役が必要です。

それが冒頭のテンショナー”グランジおじさん”。
けっこう派手なオレンジがアクセントの
ファンキーなおじさんです。
おじさんは、前後にも左右にも
かなりフレキシブルで

「どんなカップルだって取り持っちゃうよ!」

と、自信満々です。




仲人役のテンショナーおじさんを挟んで
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とりあえず、できた。
堂々たる一夫一婦の姿です。
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ふふふ。
だいぶスッキリしましたぞ。

取り外した変速機たち
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ま、必要になったら
また付けたらいいですしね。






家の前で試乗。

当たり前だけど
ガチャガチャ言いません。
一夫一婦は静かです。

飛んでも(ほとんど飛べないけど)着地も静かです。





ただ、BMX的には
こんなもんらしいギア比ですけど
トライアルごっこをするには、ちと
微乳12Tが小さすぎて、チャラ夫22Tの負担が大きい。

やっぱり
もう少し夫婦対等的なギア比のほうがいいのかなあ…

それと
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やっぱり、変速用を前提にしているのが
この微乳ちゃんは移り気で
あるところで力をかけると
カチャッとズレて外れようとします。



せっかく整えた一夫一婦ですが
この嫁は、どうやら家風に合わぬようなので
しかたなく
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一夫一婦にふさわしいと思われる嫁候補を
3枚セットで購入し
その中から、容姿、生活力のバランスを考えて
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17Tをあたらしい伴侶として迎え入れることにしました。


ついでに、せっかくの一夫一婦なのに
それに水を差すように目立っていた
仲人テンショナーおじさんには
もう少し目立たないように席替えをしてもらって
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より、一夫一婦らしい
チェーンの取り回しのシルエットを構成しました。





これにて、ハニマル号のシングル化、完成。



雨、止まないかなあ…

by tachigoke400 | 2014-06-07 06:36 | 自転車 | Comments(0)
2014年 06月 06日

WEX 原付クラスが熱そうだ!

バタバタとWR250Rを連れて帰った翌朝
つまり日曜日
近所のオフロードコースでWEXというレースがあるのを知って
観戦に行ってきました。

いろんなカテゴリーがあって
40分耐久、90分耐久、120分耐久と
走行時間も3種類。

日曜日のパパは意外と忙しく
早朝草刈りを終えた後
慌ただしく準備して
なんとか40分クラスのスタートに駆けつけました。
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ミニクーパーでお世話になっている
ラットガレージの面々が参加するというので
こいつは顔を出さないわけにはまいりません。

モペッドクラスという、50ccのクラスがあるそうです。
50ccとはいえ
CRM50とか、そういうストイックなマシンは
場の雰囲気を損ねるため、歓迎されないと聞きました。




お。
エリちゃんも出るんだ。
こちらはTTR125
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ブーツのチョイスがセンスあるなあ
カッコいい。
デキるオンナ感が漂っています。



40分クラスは、モペット以外にも
バリエーション豊かな車種構成で
見ていて楽しいです。
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うお、ハーレー!
マジで?!


ほー。
盗難されてなかったら
GL400で出たかったかも?!







スタート!

現代のマシンを押さえて
ビンテージマシン2台がホールショット争い。
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いいね、いいね。
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あつい、あつい。







お、タナカさんがきたぞ。
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なんで下向いてるんすか?!




お、エリちゃんが来た。
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うんうん。
しっかり前見て走っていますね。









このマシンは
スズキの車体にホンダのエンジンという
異色の移植のハイブリッドだそうですが
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しかも
コレが初のオフロードレース参加なんですと…


やっぱし、ラットガレージには
おもろい人たちが集ってくるなあ。







あ。
ハーレーだ。
順調に周回してます。
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異様に前後に長いシルエットが異彩を放ちます。

普段はYZでお山とかをバンバン走ってる方だそうで
とても巧みにハーレーを駆っておられました。
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くう! 
かっこいい!





#1内山裕太郎選手も
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マーシャルライダーとして
あちこちでスムースなライディングを披露していました。

背の低いライダーとしては
やっぱし憧れるライディングスタイルですよねえ…









さて。

あんなマシンが40分も持つのかと
若干懐疑的だったのですが
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これがなかなかに快調で
じつに楽しげにバトルを繰り広げ
無事、ゴール。





しっかり堪能した痕跡、ってやつですね。
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いいなあ、モペットクラス。

出たいかも、モペットクラス。



実家のズーマー
要らない、て言ってたから
もらって来ようかなあ……

by tachigoke400 | 2014-06-06 05:57 | オフロードバイク | Comments(0)
2014年 06月 03日

やっぱ、ごめんブロンコ…ようこそWR250R

先々週、エンジンが焼き付いて停止したブロンコ。

当面の通勤車両に困って
ご近所に声をかけてみたら
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ぐふふ。

活きの良いランツァを借りることができました。
ランツァといえば、97デビューの2ストトレールで
ボクがバイクに興味を持って、なんとなく初めて買った
ガルルだかバックオフだかに華々しく紹介されていて
当時憧れながらも、しがない芸大生に
新車など購入できるわけもなく
現実路線として中古のジェベル200を買った覚えがあります。

しかし、いま…

あの、かつての高嶺の花
憧れのランちゃんが、今
ボクの股の下に!


ランツァといえば
コンパクトでハイパワーが売りでしたが
じつは案外ポッチャリさんで
クビレが無い、残念な部分も特徴でしたが

この子は、ダイエットもバッチリきいて
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YZの外装ですっきりスリム。

燃料タンクの小型化にともなって
ボクの通勤距離とこのマシンの燃費も相まって
毎日給油の面倒も
この、痛快の2文字に尽きるエンジンフィールに
何でも許せそうな気になってきます。

いつもの通勤ダートも
もちろん快調。
ブロンコの比ではないアベレージ速度で駆け抜けることができます。
そう長くはないダート直線区間でも
GPS記録によると
軽く3桁キロに到達してしまいます。
ブロンコだと、辛くも到達できなかったというのに。

もちろん、ブロンコは
速く走ることに主眼を置いたバイクではありませんし
ムキになって飛ばしても
怖いだけで楽しくないので
つまりはランツァとは、キャラクターがキッチリ違います。

まあ、しかし
高性能(てほどでもないけど)なバイクは
やっぱり気持ちがいいもんだなあ…

いっそ、ブロンコの代わりに
ランツァを買ってしまってもいいかもしれない…
そんな気にさえ、なってきました。



さて、そんなブロンコ。
ウチでバラしてみたところ
シリンダーとピストンは焼き付いていないと判断。
どうやら、クランクベアリングあたりがダメっぽいと
素人判断をくだしたものの
タンデムにもって行って
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大将に見てもらったところ
秒殺で

「シリンダー、焼き付いとるじゃないか」

と言われ撃沈…

もっとエグいのを焼き付きだと思っていたので
へえ、こんなんでもダメなんだあ、と
勉強になりました。

ついでに、クランクのほうは
やっぱりベアリングが逝っていて
ヘッドも燃えカスがモリモリで
つまり、エンジンはケース以外は
どこもかしこもダメ、という事が判明しました。




知人すじから
セローのエンジンを譲っていただけそうな話もあり
そのエンジンを整備して
ブロンコのエンジンのギアボックスやクラッチ板(比較的新しい)を移植して
2個イチにしてやれば
金銭的には、最小限で済みそうです。

何やかんやで、手間と時間がかかりそうな予感はプンプンしますが
気に入っているブロンコだし
そうやって乗り続けよう。



大将「いっそ、新しいバイクに買い替えたらどうだ?」
たち「またまたあ…」
大将「通勤だからこそ、良いバイクに乗ったほうがいいぞ」
たち「まあ、それはもちろん、わかってますけど…」
大将「そこの白いWRなんか、どうだ?」
たち「え? WRですか」
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正直、WRは考えてなかったなあ…

ルックスはわかりやすくカッコいいとは思うけど
そういうのより
ブロンコみたいにキュートでレトロな
ちょっと油断させるルックスで
実はオフもボチボチ走れちゃいます、という意外性みたいなところに
面白みを感じていたし
以前、ヤブさんがWRを持っていて
何度かコースや公道で乗せてもらいましたが
なんかシックリこなくて、CRF150やDRZ400のダイレクト感に比べると
薄味だなあ、と敬遠していました。
たしかに、よく走るエンジンだし
良いサスペンションだけど
なんか、重いし疾走感が無くて、ただ速い、みたいな。

そして何より、高価。
70万円以上する250ccトレールって!



まあ、しかし
せっかく店先にあるWRだし
ナンバーも自賠責もついたキレイな中古車なので
とりあえずヘルメットを借りて試乗してみることにしました。

珍しい、ほぼ、どノーマルの中古車です。



スラッと手足の長い、日本人離れしたスタイル。
白く艶やかな肌。
きゅっとした小顔。

ああ、いかにも今時の子って感じだなあ…

ブロンコやランツァを思い出して
つい比較してしまいます。


綺麗な外観とは対照的に走行距離だけは
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まあまあ行ってます。
20代半ばですか…オンナ盛りですね。


久しぶりにまたがるWRは
やはり大柄に感じましたが
KTM250SXFと似たようなものです。
重量はそれなりにありますが、ランツァやブロンコと比べて
そんなに重いとは思いません。

高浜の街中から海に向かって
のんびり試乗。

ボチボチ混雑した、土曜日の午後。
クルマも多く、頻繁な信号待ちと暑い太陽。

そんな中、WRと対話を深めて行くうちに
ボクはすこしずつ
彼女に心が傾いていく自分に気がついたのでした。





(以下、試乗インプレッション)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※長いです。また、あくまで個人の感想です。





「ずいぶんと静かなんですね」
「静かなバイクはお嫌い?」
「いいえ。うるさいバイクは大嫌いです」

ボクは正直に答えた。実際、WRはとても静かなバイクで
体感的には、そう…
レクサスLSとダイソンの掃除機の中間くらいのボリューム感といえばわかりやすいか。

しかし、彼女は静かでいながら
歯切れの良い鼓動がある。

「そう、良かった。そうじゃない男の人が多いから」
「ああ。たしかに、年配の人とかそうですよね」
「あなたも、アタシを買ったらマフラーを換えるのかしら」
「…買わないですよ」
「仮の話よ」

彼女のスッキリとしたうなじを眺めながら
少し考えて、丁寧に答えた。

「換えないと思いますよ、すくなくとも公道では」
「そう」
「それにお金もないしね…」
「店長に聞いたわよ。あなた、年末にバイクを盗られたそうね」
「それに夏には二人目の子供も産まれるしね」
「……」

信号が青になって
それでしばらく会話がとぎれた。

ボクが住む山あいの街と違って
このあたりは海が近い。
夏っぽい匂いだなあ、と思いながら
彼女の静かな鼓動を感じていると
今度は彼女の方から話をふってきた。

「あなた、小柄だけどアタシみたいなフルサイズも乗れるのね」
「悪路はともかく、ですが。前にDRZ400にも乗ってたしね」
「そのDRZとは、どうして別れちゃったの?」

若い子にありがちな、無遠慮な質問だな、と苦笑しながら
DRZのことを思い出す。

…そういえば、どうして別れてしまったんだろう。
嫌いになったわけでもないし、ほかに好きなバイクができたでもないし。

「まあ、いろいろとあったんですよ」
「ごめんなさい、変なこと聞いちゃって」
「いえ、いいんです」

それからしばらく、ボクのバイク歴について
簡単に紹介した。
彼女はなかなか聞き上手で、ときおり相づちを打ったり
質問を挟んだり、時にはおおげさに驚いてみせたり
とくに、さっき話題に出たDRZと行ったモンゴル高原の話や
BETAと過ごしたスコットランドの日々について
彼女はとても興味深そうに聞いてくれた。

「あなた、見た目によらず遊んでるのね」
「キミこそ、まだ若いのに2万7千キロだなんて、遊んでるじゃないですか」
「アタシの距離のことはいいのよ」
「これは失礼しました」
「いいのよ」

そう言うと、彼女は遠い目をした。




「アタシ、みんなから”重いオンナ”だと思われているのよ」

寂しそうに、そうつぶやいた。
……

WR250R
たしかに、いかにも存在が”重い”。


”オフロードのR1”を標榜してヤマハが総力をあげて開発し
2007年、華々しくデビューした。
高速道路から日常ユースまで幅広い使用シーンに対応し
林道はもちろん、レースでも戦える才能を与えられ
なんとISDEも、戦った。

モデルのような容姿で、お茶もお華も心得があり
家事も料理もサラリとこなし、学業優秀
一方、剣は北辰一刀流、槍は宝蔵院流
名門ヤマハ家が手塩に育てた娘、それがWR250R。

同門には、剣と槍だけを専門にやっていればいい
WR250F姉さんやYZ250F姉さんを持ち
そんな中で育った彼女は、さぞや複雑な心境だったろう。

そりゃあ、世間一般の男性からしたら
たしかに、”重い”



「ボクはキミを、そう重いとは思いませんよ」
「ありがとう、お世辞でも嬉しいわ」
「いやいや、本心ですよ」

実際、DRZ400より軽いし、セロー姉さんと比べても
たしかカタログ値で2kgほどの差しか無かったはずだ。
後で知ったんだけれど、剣と槍だけのWR450姉と比べても8kg増。

同じ250トレールのホンダCRF250Lが11kgも重いことを考えると
彼女は十分スリムで軽量だ。

お山やCGCにでも持ち込まないかぎり
WR250Rが重いなんてことはないだろう。
もし、お山やCGCに行くのなら、ボクはBETAを使うだろうから
ボクにとって、132kgの車重は問題ではない。
同じ理由で車格が大きいことも、問題とは思わない。

そう伝えると、彼女は素直に喜んだ。


「世の中、あなたみたいな人ばっかりならいいけど、アタシ、男運なくて」
「唐突になんですか」
「”お茶とお華と剣と槍”みたいな看板のせいかしら」
「うーん。どうだろう」

たしかに、彼女はそこはかとなく幸薄い。
美人なのに、幸薄い。

華々しくデビューしたがゆえに
なんか客層がオタクっぽいというか
例えば今はもう廃盤のXR250なんかは
今でもコアでタフなオフローダーたちから熱い支持を得ているのとは
対照的だ。

すばらしいスペックを持つ割に
ボクの身の回りにはWRのことを良く言う人が
あまりいない。
みんな、ちょっと乗っては
「いいバイクだ」
と口をそろえて言うけれど、なんかお愛想っぽい。
そして、別のバイクを選んでいく。

フリーライドマガジンの三上編集長くらいのもんなんじゃないか
ボクの周りでこのマシンを気に入ってレースで使い倒したのって。

あくまで偏見だけど、ときどき見かけるこのバイクって
いつもピカピカで、ツーリングでちょっと林道や河川敷にきて
ちょっとだけ走ってゼハゼハ言ってる腹の出た中年が
夜、ニヤついた顔でマフラー換えたり
オタクっぽくエア・インダクション・システムに
手を入れたりしてグヘグヘ言ってて
レースに来ると、なぜかいつも初心者クラスにエントリーして
トコトコ走ってる……

……偏見すぎますね。すんません。



まあ、でもまあたしかに
彼女はキャラクターのせいでずいぶん損をしているような気もします。




しばらく走るうちに
いくらか彼女と打ち解けてきた。

スルスルと回るエンジン
鼓動が速くなる。
速度感も加速感も、やはり穏やかだ。
でも、メーターを見ると、想像以上に出てる。
体幹がしっかりしてるのと、脚が良いんだということがわかる。

しばらく、その張りがあってしなやかな脚を
強く、弱く、押したりしながら、弾力やしっとりとした反発を堪能する。
うん、若いって、いいな。

ブロンコやGL400の、脂の抜けたパサパサの脚も
まあ、それはそれで趣があったけどね。

ボクはニヤニヤしていた。




「あたし、あなたの役に立つわよ」
「また、唐突に…」
「出張の途中に焼き付いたり、電装が切れたりしないわ」
「若いうちは、みんなそう言いますね」
「ランツァ伯母さんみたいにガソリンも食わないし」
「彼女、ホントによく食べるよね(笑)」
「オーストリア娘みたいにわがまま言わないわ」
「コースでもKTMと張り合う気かい?」
「場所によっては、アタシのトラクションがいいかもよ?」
「セルもあるしね…」
「モンゴルにも行きたいなー」
「北海道くらいで勘弁してくださいよ」
「じゃあ、ニュージーランド」
「船賃だけで、キミがもう1台買えちゃいますよ」


打ち解けてみると
なかなか楽しい子だ。
出自を鼻にかけない気さくさも好ましい。 

ボクらは気楽な会話を楽しみながら
高浜の街を流し
やがて、お店に帰ってきた。


「今日は楽しかったよ、ありがとう」
「……」
「?」
「ねえ…」
「ハイ?」
「本当に、このまま帰っちゃうの?」
「いや、だって…」

保育園に子供を迎えにいかないといけない時間だ。
ボクが所在なげな自分を誤摩化すように
表の通に止まったヤマト運輸のトラックのネコに視線を留めていると
やおら、彼女は口を開き

「アタシ今日
お持ち帰りされちゃってもいい気分なんだけどなあ…」


(意訳:自賠責もナンバーも付いてるんだけどなあ)

そう言って、ニコッと首を傾げた。

「!」

むずかしい小理屈は押しやって
男子の理性が崩れた瞬間だった。





そのまま、慌ただしくお会計を済ませ
ボクは彼女をクルマに乗せると
お店を立ち去った。



眠ったままのブロンコを置き去りにして……


by tachigoke400 | 2014-06-03 06:51 | WR250R | Comments(12)