2012年 10月 23日
安っぽい人生だから いままで、そう贅沢な宿泊をしてきたわけではありませんが でも、これまで泊まったどの宿泊施設よりも この黄色いテントが居心地がいいなあ…… と、いうことを しみじみ思い出した2泊3日でした。 そして、同時に オートバイというのは、ボクにとって 飛んだり跳ねたり埋まったり登ったり寝かせたりコケたり という遊び道具である以前に 原点としては、旅の道具だったんだなあ と、いうことも しみじみ思い出した2泊3日でした。 ヨメはんと子供が、実家に帰っているから なんとなく出かけよう、くらいの動機で 前日くらいまで、行き先も決めていなかったのですが とりあえず、天気も良さそうなので 北アルプスの麓 新穂高温泉に足を向けました。 キャンプ場には 野趣あふれる露天風呂があって 日の出から22時まで自由に入浴可能。 土曜の晩は、家族連れや、他のライダーで それなりに、にぎわっていましたが 日曜の夕方は、ほぼ貸切状態。 夕方、就寝前、起床後、荷造りの後などなど キャンプ場内にあるので 遠慮なく入ってカラダを温めます。 いけない、いけないと思いつつ キンキンに冷えた酒ビンを持って行って 温度差を堪能してしまいました。 いいキャンプ場です。 久しぶりに張った、このテント。 コイツを張るのは、なんと3年ぶり。 最後に張った、ニュージーランドの マウントクックの野営場のタグを付けたまま 手入れもせずに、俺ったら……… 一人でのんびりするのが目的の旅なので あくせく観光したり、林道を飛ばしたり 山登りしたり、なんて、当然、ナシ。 コーヒーをすすりながら 読みかけの小説を眺め 物思いに耽る。 かたわら 温泉タマゴを育てます。 まだ明るいけれど お気に入りのオイルランプに灯を入れて ラベルさえ付いていない、地酒の原酒をいただく。 ああ、たまらん。 オイルランプの薄明かりと 灯油の焼ける独特の香りで 何杯でもいけてしまいます。 じっさい、今回の旅の 主目的は、このランプを外で使いたかった といっても過言ではありません。 本来なら これだけで満足だったハズですが しかし やはり、ここは北アルプス。 岩峰名峰のみなさんに、あいさつもナシ というのもどうか、と思いました。 偶然にも キャンプ中のツッカケがわりに持参した トレイルランニング用のシューズが…… ああ。 気がついた時には 新穂高ロープウェイに乗り込み なんだか、5月のSSDTのセクションっぽい 世界に身を浸していました。 西穂高までの道のりは ハイキングみたいなもんだと記憶していましたが あらためて見ると それなりに剣呑なところもありますね…… ここ半年の不摂生で 自分のカラダがどれだけ鈍っていたか 思い知らされました。 西穂高山頂。 遠く、左側にそびえる 槍ヶ岳さんが、誘惑してきますが ここよりも先 ジャンダルムや大キレットに挑むには 体力も時間も装備も足りません。 また今度な。 下山中 いやに姿のシャキっとした女性がいて なかなかいいペースで岩を上り下りしていきます。 手足の置き方が静かでスムーズ ほほう。 いまどき流行りの山ガールっちゅうのも なかなかレベルが高いのね と、10年近く 登山から遠のいていたボクは思ったわけです。 ペースが似ていたので 自然と そのオネーサンとお話するようになって よくよく聞いたら、彼女は クライミングジム勤務で 乗鞍の五色ヶ原の山岳ガイドさんだそうです。 ジャンダルムも大キレットも 庭みたいなもんですね。 どうりで。 山登りだけではなく 芸術の大学に通うため、6年ロンドンに住んでいたとか なかなか奥行きある女性で ロンドンの話やクルマの話やら山の話 高山の話、スキーの話、もちろん山の話などなど とても楽しい下山行でした。 鳥の名前を教えてくれたり さすがガイドさん。 ちょうど、お誕生日で お誕生日登山と洒落込んでいたそうです。 いいなあ、その自然体な生き方…… また、そのうち どこかの山で会えるといいなあと思います。 SSDT以降 いろいろあって なんだかモヤモヤしていて 心もカラダも藻が生えたみたいになっていましたが 3日間ずっと晴れ。 天がくれた いい心の洗濯日和になりました。
by tachigoke400
| 2012-10-23 06:40
| オフロードバイク
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